セキュリティカメラ、顔認識デバイス、マシンビジョンで、よりインパクトのある忠実度の高い視聴体験を実現するには、正確な画像深度と細部が不可欠です。画像深度と細部を実現するには、アプリケーションに特定のイメージセンサ機能が必要であり、重要な機能の1つが適応型ローカルトーンマッピング(ALTM)です。
オンセミは最近、Hyperlux LHイメージセンサファミリの製品としてAR0246を発売しました。これは2メガピクセルの1/4インチ裏面照射(BSI)スタック型CMOSデジタルイメージセンサで、1920 x 1080のアクティブピクセルアレイを備えています。この先進的なセンサは、リニア、拡張ダイナミックレンジ(eDR)、または組み込み型ハイダイナミックレンジ(120dBのeHDR)モードのいずれかで、ローリングシャッタ読み出しにより画像をキャプチャします。また、ALTM機能も搭載しています。これはハイダイナミックレンジ(HDR)の画像を低いビット深度にパックして、ハイダイナミックレンジ非対応のプロセッサやビット深度が低いディスプレイ機器で使用できるようにするための機能です。このブログではALTM機能とその利点について説明します。
ALTMとは何か
ALTMは、ハイダイナミックレンジ(HDR)イメージングの分野で重要な技術です。ALTMは、従来のデジタルカメラでキャプチャ可能な範囲より広い範囲の輝度レベルを含むHDR画像を処理するように設計されています。その目的は、人間の視覚システムの光とコントラストに対する反応をシミュレートすることです。この機能は全体的な適応と局所的な適応を組み合わせてトーンマッピングを実現します。それにより、マッピングされた画像は元のコントラスト関係を保持しながら、全体としての外見が向上します。ALTMは自然さを維持しながら、細部を保持したままHDR画像を向上させます。HDRは、セキュリティや監視、ドライブレコーダ、顔認識など、カメラを使用するほぼすべてのアプリケーションにとって非常に重要な機能です。設計エンジニアには、製品で最高の画質を得るためにALTMが必要になるでしょう。ATLMでは、12ビットのリニアISP(HDR拡張なし)で120dBの画像と動画を処理することができます。
AR0246におけるALTMの利点
AR0246は、ベイヤ領域にALTMを実装しています。ベイヤ領域でトーンマッピングを行う利点は、HDR画像のレンダリングに一般的な10ビットまたは12ビットのパイプラインを使用できることです。AR0246は、ローエンドISPに次のような利点をもたらします。
- 12ビットリニアISP(HDR拡張なし)で120dBの画像と動画の処理が可能になる。
- ビット深度が20ビットから12ビットに削減されても、画像の細部が保持される。
- RGBのカラー比率が保持されるため、標準的なリニア処理を適用できる。
AR0246は、帯域幅の狭い組み込み型HDRを送出するために、チップ内で以下の計算を実行することもできます。
- 各12ビットデータの複数の露光(最大3回)をキャプチャ
- 複数の露光を統合して20ビットの合成画像を作成
- 合成画像にALTMを実行し、センサ出力の高ダイナミックレンジを維持した12ビット画像を出力
上記の機能により、SoC/ISPは低減された処理ビット深度でHDR画像を処理できるため、フレームレートも向上します。
全体として、ALTMは局所的な調整と全体的な調整を組み合わせて、アーチファクトを低減し、確実に細部を保持することで、HDR画像を改善する貴重な技術となります。この機能は、ウェアラブルカメラ、ドライブレコーダ、顔認識などのアプリケーションで非常に有用です。
イメージセンサAR0246とHyperLux LHファミリの詳細をご覧ください。
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